インプラント
当院のインプラント治療について
東京医科歯科大学病院口腔インプラント科で培った経験に加え、日本国内だけでなく海外の最新情報も取り入れ、エビデンスに基づいた治療を行っております。骨が少なくてインプラント治療が難しいと言われた方も一度ご相談ください。
むし歯、歯周病が歯を失う原因と一般的には言われています。しかしむし歯や歯周病はきっかけに過ぎず、咬み合わせが原因になっていることが多いです。そのためインプラント治療が行える骨があってもブリッジや入れ歯、矯正治療をお勧めすることもございます。
インプラントとは
インプラントは、顎の骨に埋め込まれる、チタン製の小さなネジです。
50年以上にわたり、研究・開発されている技術です。
- 失った歯の両隣の健康な歯を削ってブリッジを入れることに抵抗を惑じる
- 入れ歯が合わなくて、うまく噛めなかったり痛かったりする
- できれば入れ歯は入れたくない
このように感じていらっしゃる方へ、インプラント治療をお勧めします。
各治療法の特徴と注意点
インプラント | ブリッジ | 入れ歯 | |
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特長 |
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注意点 |
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噛む力 | |||
審美性 | |||
耐久性 |
インプラントは医療費控除の対象となります
インプラントは健康保険が使えない自由診療です。そのため、費用がかかりますが、医療費控除の対象であるため、支払った料金の一部が還付金として戻ってきます。(還付金は個人の総所得によって異なります)
一般的なインプラント治療の流れ
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術前診査、治療計画
- ロの中の状態および全身の健康状態・喫煙歴について問診
- むし歯、歯周病、咬み合わせの診査
- レントゲン撮影を行い、残存歯および顎の骨の状態を確認。
- 歯型を作り、それぞれの歯の形態・咬み合わせ・歯並び・欠損部の状態などを診査。
- CTを撮影し、欠損部の骨の量・質を3次元的に分析。神経・血管・上顎洞や残存歯との位置関係も3次元的に把握。
これらの情報をもとに口の中全体について総合的に診断を行い、インプラントのみでなく残存歯も含めた治療計画を立てます。
すぐに治療をスタートできない場合もあります
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全身疾患により感染しやすい、傷が治癒しにくい場合
インプラント治療のリスクが高まるため、糖尿病の血糖値のコントロールなど、まず内科的治療をしていただきます。
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骨星が不足している場合
骨を増やす骨造成治療を行います。通常、骨移植をしてから4~9か月程度の治癒期間の後、インプラント手術を行います(使用する骨移植材料・治療部位や範囲による)。
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歯の欠損部にインプラントを入れるスペースが不足している場合や歯並びを治す場合
矯正治療を先に行います。
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インプラント埋入手術・治癒期間
局所麻酔のもと、インプラントを埋入する手術を行います。簡単なものは抜歯程度の感覚です。
インプラントの種類は、骨の質や量、治療部位によって適切なものを選択します。サージカルガイド
必要に応じてサージカルガイドを使用いたします。swissmeda社のsmopを使用しています。
サージカルガイドのメリット
- 確実に入れたいポジションに埋入できる
- 術前に審査診断した通りにインプラントを埋入する事が出来る。
- 手術時間の短縮
- 補綴主導のインプラント埋入が可能(トップダウントリートメント)
治癒期間について
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インプラントと顎の骨が結合するまでの冶癒期間は、骨の状態および全身の健康状態により異なり、2~3ヵ月程度で結合する場合もあれば、6ヵ月程度かかる場合もあります。
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骨造成治療を行った場合は、治癒期間が長くなることがあります。
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人工歯の製作と装着
型採りをし、人工の歯を製作します。仮歯をまず製作し、見た目や装着感を確認します。その後最終的な歯を製作します。
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メンテナンス
インプラント治療は人工歯が装着されたら終わりというわけではありません。インプラントを健康な状態で長持ちさせるためには、インプラントおよび残存歯を清潔に保ち、3ヶ月~半年に1回程度定期的に検診を受け、メンテナンスを行う必要があります。
術前処置
顎の骨の量が少ないと、そのままの状態ではインプラント治療を行えない場合があります。
顎の骨が少ない方は、GBR(骨の移植)、ソケットリフト、サイナスリフトといった外科手術を行うことにより、顎の骨をインプラントができる状態に整えます。
GBR(骨再生誘導法)
Guided Bone Regeneration
GBRとは、インプラント治療において、骨の厚みや高さが足りない場合に行う歯槽骨を再生する方法です。
骨を増やしたいところに自分の骨、骨補填材(人工材料)を置き、骨形成の妨げになる繊維芽細胞の侵入を防ぐためのメンブレン(人工の膜)で覆います。同時にインプラントを埋められる場合もあります。
上顎洞底挙上術(ソケットリフト)
上顎臼歯部で骨高径が足りない場合(5mm以上)に行います。インプラントを埋入する箇所にドリルで穴を空け、専用器具(オステオトーム)で槌打し、骨を抜き、骨を押し上げ粘膜を拳上します。その後、骨移植材を注入し、インプラント体と骨が結合するのに充分な高さを確保してインプラントを埋入します。
上顎洞底挙上術(サイナスリフト)
上顎臼歯部で骨高径が足りない場合(5mm未満)に行います。まず、上顎洞側壁骨の相当部の歯肉を切開し、骨窓を開け、骨窓を下から内側に押し上げて上顎洞底部の粘膜を拳上します。次に拳上してできたスペースに移植材を入れます。移植材を入れた後、外側を粘膜で被い歯肉を縫合して約6ヶ月間待ちます。インプラント手術と同時に行う場合もあります。
静脈麻酔
鎮静薬を静脈に点滴し半分眠っているような状態を作ることで感覚を鈍らせ、痛みへの不安や恐怖心を和らげる効果があります。全身麻酔のように完全に意識がなくなる訳ではないので、呼びかけに応じながら歯科治療を受けていただくことができます。大学病院の歯科麻酔科の先生に来ていただき、全身管理をしていただいています。
このような患者さんにお勧めです。
- 歯科恐怖症でインプラント手術に不安がある方
- 高血圧、不整脈など全身疾患のある方
- お口の中に物が入ると「オエッ」となる嘔吐反射の強い方…
奥歯のインプラントのススメ
抜歯などにより奥歯がなくなった場合、インプラントや入れ歯、ブリッジなどの治療法がありますが、それぞれの治療法にはメリットがあればデメリットもあります。
その中でも、奥歯の治療に最適といえるのがインプラントです。「奥歯の一本くらいなくても」とか「目立たない奥歯をインプラントにするなんて...」と思われるかもしれませんが、奥歯こそインプラントの長所が十分に生かされる場所だといえます。
奥歯をインプラントにするメリット
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入れ歯のような痛みや違和感がない
食べ物を噛む時、前歯や犬歯と違って奥歯には大きな力がかかるため、入れ歯が合っていないと、強く噛むと入れ歯が歯茎にあたって痛みを感じることがあります。
それに対してインプラントは、自分の歯のように噛めるため、入れ歯のような違和感がありません。 -
しっかり噛めるようになる
歯を失った場合に行われる歯科治療の中で、咀咽力が最も天然歯に近いと言われているのがインプラントです。
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発音しやすくなる
奥歯がないと、そこから息が漏れるせいで、「き」「し」「ち」などのイ段の発音がうまくできない場合があります。また、入れ歯が合わないと、話している最中にずれたり外れたりすることがありますが、奥歯にインプラントを入れることによって会話中のストレスが軽減されます。
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骨吸収の進行を抑える
インプラントは骨に刺激が伝わるため、骨吸収が抑えられます。
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噛み合わせのバランスが整う
奥歯がないことで歯に加わる力が偏り、噛み合わせのバランスが崩れます。それにより、肩こりや頭痛などが引き起こされるほか、顔貌の歪みが生じることがあリます。インプラントで噛み合わせを調整することで、体全体の左右のバランスが整います。
奥歯をインプラントにするデメリット
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他の治療に比べて費用が高額
保険が基本的に適用されないため全額自己負担になります。
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骨が少ない場合は骨造成が必要
入れ歯やブリッジの場合は必要ありません。
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治療期間の長期化
入れ歯やブリッジと比較すると長いです。
インプラントオーバーデンチャー
「ずれる」「噛めない」「話にくい」等、お使いの総入れ歯に不便さを感じている方は多いのではないでしょうか。そのような、総入れ歯の悩みを解決してくれるのが「インプラントオーバーデンチャー」です。
インプラントオーバーデンチャーとは
外科手術によって顎の骨に埋め入れた2~4本のインプラントに入れ歯を固定する治療法のことで、アタッチメントの働きをする部品を使ってインプラントと入れ歯と連結することから、「アタッチメント義歯」とも呼ばれています。
入れ歯が顎の骨にしっかり固定されるため、食事や会話の途中でずれたり、外れたりするような心配がありません。
奥歯をインプラントにするメリット
- 安定感に優れている
- しっかり噛める
- 会話がしやすくなる
- 取り外しが簡単・埋入するインプラントの本数が少ない(費用を抑えられる)
インプラントオーバーデンチャーの仕組み
通常のインプラント治療では、外科手術でインプラント体を顎の骨に埋め込んだ後、スクリューと呼ばれる小さなネジを使って、支台となるアバットメントや人工歯を固定します。ネジを締めた後で人工歯にふたをするため、歯科医院でしか人工歯を取り外すことはできません。
インプラントオーバーデンチャーの場合、インプラントに装着したアバットメントの先端を直接、入れ歯の底の部分に差し込むような構造になっており、患者さんご自身で取り外しができるため、自宅で気軽に入れ歯やインプラントのお手入れをすることが可能になります。
よくあるご質問
- インプラントが適用できない場合はありますか?
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以下の条件下では治療できない場合があります。
インプラント治療が制限されるケース
- 妊娠中の方
- 他の歯根に感染症がある方、歯周病の方
- 顎の骨の量が少ない方
- 全身疾患のある方
- 糖尿病、高血圧などの慢性疾患がある方は良好な 状態を保っていることが条件となります。
インプラント治療が適用できないケース
- 顎骨の成長の終わっていない、20歳以下の方
- 極端に骨の量が少ない方
- 重症心疾患の方、腎透析されている方、精神疾患のある方、出血のコントロールが難しい方
- アルコール依存の方
- チタンアレルギーの方
- 歯磨きなどの日常のお手入れができない方
- インプラントは高齢者でも大丈夫ですか?
- 健康な方であれば基本的に可能です。ご相談下さい。
- 手術には入院が必要ですか?
- 限られた特別な場合を除いて入院の必要はありません。入院が必要なレベルの治療は大学病院に紹介いたします。
- インプラントは何年くらい持ちますか?
- 患者さんのお口の中の衛生状態、咬み合わせに大きく関係します。10年で95%以上しっかりお口の中で機能していることが報告されています。長いもので40年以上使用できていることも報告されています。ご自身の歯と同様、日々のお手入れや定期検診が重要となります。
- 人工の歯が壊れることはありますか?
- 簡単に壊れるようなことはありませんが、噛み合わせの強い方や長期閤の使用で一部が欠けることがあります。修理や再作製が可能です。
- 費用はどのくらいかかりますか?
- 療部位やお口の中の状況、骨の移栢の有無などによって変わります。当院では1本あたり35万円(税別)からとなっております。
- 保険はききますか?
- 保険適応外のため自費となります。
- CTやMRIを撮っても大丈夫ですか?
- インプラントの素材は非磁性体のチタン製です。撮影自体に問顆はないです。銀歯が入っていても外したりしないのと同じと考えて下さい。ただし、画像が少し荒れたりする可能性はあります。
インプラント治療費用
相談 | 無料 |
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検査 | |
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診断用ワックスアップ | 3,000円/歯 |
CT撮影 | 10,000円/顎 |
インプラント手術 | |
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1次手術 | 200,000円 |
2次手術 | 20,000円 |
移植術 | |
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GBR | 50,000円~/部位 |
上顎洞底挙上術(ソケットリフト) | 50,000円/1本 |
上顎洞底挙上術(サイナスリフト) | 200,000円~/部位 |
軟組織移植 | 50,000円/部位 |
上部構造(被せ物) | |
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仮封冠(仮歯) | 30000円/歯 |
最終上部構造 | 120,000円~/歯 |
メインテナンス | 2,000円/歯 |
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